文字の図形化で、漢字やアルファベットからなる記号をエンブレムとしたものを見て行きましょう。
３ 文字（文字の図案化 頭文字 漢字など）3.1
図１ 一汽海馬（Yiqi-Haima） 北汽（Beijing）２ 北汽威旺（BAIC Weiwang） 大地（Dadi） 小松（Komatsu）
第一汽車集団（FAW）傘下となった一汽海馬（Yiqi-Haima）の現在のエンブレムはその一を大きく取り上げ、マツダへのオマージュとして後に見るマツダのいわゆるフライイングＭに少し似せています。すでに見た北汽集団（BAIC）・北京汽車（Beijing）のＳＵＶブランド・紳宝（Senova）、重慶銀翔集団とのＪＶの北汽銀翔（BAIC Yinxiang）やＥＶブランドである北汽新能源には、北の字の変形がエンブレムとして使われています。北汽のミニバンなどの威旺（Weiwang）ブランドも、北の変形ですが、道路のようにもなっています。吉利（Geely）傘下の成都・新大地（New Dadi）、その前身の大地（Dadi）は漢字の大の字です。トラクターやブルドーザの小松製作所（Komatsu）のエンブレムは、小です。
図２ 中華（ブリリアンス Brilliance） 中环（BZK） 中順（Polarsun） 中大（Zonda） 中華（CMC） ドレークメラー(Drögmöller)１
以前は奉天と呼ばれていた瀋陽に本拠を置くルノー系華晨汽車では、普通その乗用車ブランド中華（Brilliance）のエンブレムを使っていますが、これは漢字の中を意匠化したものです。北京の大型トラックの中环動力（ＢＺＫ）や、現在は威馬傘下でマイクロバスを生産していた瀋陽市の中順（Zhongshun, Polarsun）も中です。バスメーカーの北京中大燕京汽車、南京中大金陵双層客車、鹽城中威客車などは中大（Zonda）汽車傘下で、エンブレムは中と大、また星の変形のようにも見えます。台湾裕隆集団傘下の中華汽車（China Motor Corp., CMC）もかなり変形した中です。バスのコーチビルダーの独ドレークメラーのエンブレムも漢字の中のように見えますが、これは１９２０年の創業者ゴットハルト・ドレークメラーのイニシャルＧＤが様式化されたもので、１９９４年にボルボに売却されました。
図３ 中車（CRRC） 昌河鈴木（Changhe-Suzuki） 飛馳（Feichi）１ 五環（Wuhuan） 開利（Carely） 天越（Tantus）
ＥＶのバンやバスの浙江省の中車（CRRC）新能源、中車電車、湖南省株洲市の中車時代電動汽車（中車電動）のエンブレムは車ですが、見様によっては中も見られます。スズキとのＪＶであった江西省の昌河鈴木（Changhe-Suzuki）は、現在は北汽昌河（Beiqi Changhe）となっていますが、昌河の昌です。江蘇鎮江・飛馳（Feichi, Speed Auto）汽車は、飞の字です。特装車の湖北省・五環（Wuhuan）専用汽車は漢字の五を鳥のようにしています。一汽とＶＷ（大衆）のＪＶ・一汽大众の開利（Carely）汽車はＥＶ乗用車ですが、エンブレムはブランド名の開（开）でしょう。同じくＶＷ（大衆）と上汽とのＪＶ・上汽大众の天越（Tantus）汽車もＥＶ乗用車ですが、エンブレムはブランド名の天でしょう。
図４ 漢（Han） 秦（Qin） 唐（Tang） 宋（Song） 元（Yuan）
中国の歴代帝国の秦（Qin）漢（Han）唐（Tang）宋（Song）元（Yuan）などを車種名としたＥＶを発売している比亞迪（BYD）汽車は、バッテリー大手が陝西省西安の秦川（Qinchuan）汽車を再建したもので、２０２３年来テスラを抜て世界最大のＥＶメーカーとなっています。
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図１ 一汽海馬汽車 Yiqi-Haima, 北汽制造 BAIC ２, 北汽威旺Beiqi Weiwang, 大地Dadi, 小松製作所 Komatsu
図２ 華晨汽車・中華 Brilliance, 中环動力重型汽車 BZK, 中順汽車 Polarsun, 中大汽車Zonda, 中華汽車 CMC, Drögmöller 1
図３ 浙江中車新能源 CRRC, 昌河鈴木 Changhe-Suzuki, 北汽昌河 Beiqi-Changhe, 江蘇鎮江飛馳汽車 Speed Auto １, 湖北五環専用汽車 Wuhuan, 開利汽車 Carely, 天越汽車 Tantus,
図４ 比亞迪BYD・漢Han, 比亞迪BYD・秦Qin 唐Tang 宋Song 元Yuan
