引き続き、
動物や植物を描いたエンブレムを見て行きましょう。
2 図形(複雑なデザイン・動物)2.4
図1 カマース マスタング ギャロッパー ペガソ/イヴェコ 漢騰
ソ連時代にトラック生産のためカマ河畔に設立されたカマース社には、マスタングと言うシリーズもありますが、野生の馬が企業のエンブレムです。フォードのスポーティーカー・マスタングでも、その名の通り野生の馬が疾走しています。これをコピーしたのが、三菱パジェロの韓国でのライセンス生産のヒュンダイ・ギャロッパーで、スペイン、ブラジル、アイスランドを始めとする世界各国で販売されていました。後に見るスペインのイスパノ=スイザ(ヒスパノ=スイザ)は戦後国営総合自動車メーカーのペガソとなりましたが、名前から言うとペガサスですが普通の馬のように見えます。ペガソはイタリアのイヴェコに吸収されてからは、イヴェコがこのエンブレムを使うこともありましたが、今ではブランドとしては消滅しました。漢騰(Hanteng)も後に見るフェラーリのような跳ね馬です。
図2 エクウス エイヴリング=バーフォード エイシャー コードロ
米デトロイトのエクウス(ラテン語で馬)は、アメリカ最盛時のマッスルカーの豪華版を製造していますが、そのエンブレムはもちろん馬です。英エイヴリング=バーフォードは1934年から1988年まで工事用車両やトラクターなどを生産していました。インドのトラック会社エイシャーもたてがみを靡かせた馬の頭ですが、これはペガサスと言うことです。イランのコードロ(IKCO)も馬の首から上が描かれています。
図3 宝駿 宝駿(新) 青騅 鉑駿 1 野馬1
上汽通用五菱の宝駿(Baojun)ブランドのエンブレムも秘宝の馬で、旧エンブレムの馬を意匠化したものです。御捷汽車(Yogomo)の青年層向けサブブランドの青騅電動(Cyahor)も馬の首です。雲南省の力帆(Lifan)駿馬車両の鉑駿(Bojun, Projen)はプラチナの馬と言う意味のハイエンド商用車ブランドで、大型トラックやピックアップを出しています。雷丁汽車に買収された四川省(川汽)・野馬(Yema)のエンブレムは、馬と言うよりはブタのようにも見えますが、フォードよりも早く社名マスタングを登録していたので、フォードは伝統あるブランド名を中国では使えなくなりました。
_________________________________________
図1 Kamaz, Mustang, Galloper, Pegaso, 漢騰汽車
図2 Equus, Aveling-Barford, Eicher, Khodro
図3 宝駿, 宝駿(新), 青騅電動, 鉑駿 (Projen)1, 川汽野馬汽車1