引き続き、
動物や植物を描いたエンブレムを見て行きましょう。
2 図形(複雑なデザイン・動物)2.3
図1 チシタリア アヴァローネ ジョン・ディーア インパラ ガツェレ ACE
戦後いち早くイタリアでスポーツカーやレーシングカーを製造していたチシタリアの名称は頭字語で、イタリア・スポーツ産業JV会社(Consortzio Industoriale Sportivo Italia)から来ています。山羊のような猪のような伝説の動物
エアレー- 羅eale - 独Yale - 英yale, jall - 仏centicore
の紋章がエンブレムとなっていました。ユニコーンのエンブレムはブラジルのレーサーが1971年に立ち上げた創業者名のアヴァローネで、レーシングカー、1975年からMG‐TFやフォルクスワーゲンのビートル・カブリオレのレプリカなどを1088年まで生産していました。ジョン・ディーアは創業者名であると共に米国ディーア社のトラクターを始めとする農耕や工事車両ブランドです。GM傘下のシボレーのブランドでアフリカのカモシカの名を取ったインパラは、その名の通り疾駆する姿が意匠されています。自転車メーカーの蘭ガツェレは、電動四輪と六輪の貨物運搬車を発表しました。オーストラリアの新興エイスEV(Australian Clean Energy Electric Vehicle Group)はEVの小型乗用車や商用車の大量生産を発表していますが、エンブレムはもちろんカンガルーです。
図2 ACコブラ シェルビー ダッジ・バイパー ザルーク エルナグ
英ACのシャーシに米国人シェルビーがフォードのエンジンを積み込んだ当時最速のACコブラは現在まで無数のバージョンが製造されています。コブラと言う名は、シェルビーの夢に新しいエンジンが現れて、そこにコブラと書かれてあったと言うことです。このシェルビーがフォードのために新たなレーシングカー製造会社を立ち上げたのがシェルビー社でコブラをエンブレムとしました。巨大エンジンを積んだダッジ・ヴァイパーはダッジのレーシングカーですが、コブラを意識した命名でしょう。ドゥバイでスーパーカーを作ると言うザルークは、アラブ世界で一番早い蛇の名を取ったと言うことです。伊エルナグはキャンピングカーを生産しています。
図3 ヴィースマン イグアナ ゴードン=キーブル デ・ブライネ カンナム・スパイダー
ドイツのロードスターを手造りしていたヴィースマンは高速でも地に吸い付くヤモリのエンブレムです。スペインのイグアナはルノー4の改造や日産のピックアップのキットカーなどを出しています。1960年代半ばに数年間乗用車を生産していた英ゴードン=キーブルと1968年にこれを一年間継承したデ・ブライネもカメのエンブレムです。これも高速でも道路に吸い付くと言うイメージです。カナダBRPのカンナム・スパイダーは戦前に英モーガンが発案した逆トライクのリバイバルです。
図4 海南馬自達2 アダモ イーリス・ブス 澳柯瑪 マーコウ
既に見た海南馬自達(HainanMazuda)は、現在は一汽海馬となりましたが、元は両企業のイニシャルの海と馬から取った海馬(Haima)では、タツノオトシゴのエンブレムもありました。創業者名を冠したブラジルのアダモは、1968年から1985年までロードスターやスポーツクーペを注文生産していました。伊イヴェコの前身イーリス・ブスはイルカのエンブレムを付けていました。同じくイルカのエンブレムは冷蔵機器大手の澳柯瑪(AUCMA)集団の子会社で各種トラックや三輪・四輪EVの澳柯瑪汽車や澳柯瑪電動車などです。独マーコーは1970年代後半にフォード・グラナダにポルシェのエンジンを搭載したマーコウPや1980年代にフォード・カプリ・マーコウを製作していました。なおマーコウとは、英語やドイツ語でアオザメ(Isurus oxyrinchus)のことです。_________________________________________
図1 Cisitalia, Avallone (ACIEI, Avallone Comercial, Industrial, Exportadorae Importadora), John Deere, Impala, Gazelle, ACE EV
図2 AC Cobra, Shelby, Dodge Viper, Zarooq, Elnagh,
図3 Wiesmann, Iguana, Gordon-Keeble, De Bruyne Motor, Can-Am Spyder,
図4 海南馬自達汽車2, Adamo, Irisbus, 澳柯玛, Mako-Automobile