もう少し似たようなところのある
幾何学的図形を見てみましょう。
1 図形(簡素なデザイン) 1.21
図1 チャージ ファラデー・フューチャー 大乗 アマティ サイパ 合衆(現)・哪吒 泰新
英チャージは、アライバルと共同でEVを開発し、コンセプトカーのフォード・マスタング67を発表しています。漢字の父のように見えるのは、EVのテスラに対抗するとしたラスベガスの楽視子会社ファラデー・フューチャー(Faraday Future)ですが、プロトタイプだけで生産は軌道に乗っていないようです。江西省EVメーカーの大乗(Dorcen)汽車のエンブレムは十字路の四方向への進展を言っているのかも知れません。マツダが1990年代に北米市場で展開しようと計画していたアマティ(Amati)はどこからこうなったのでしょうか。シトロエンの組み立てから始めたイランのサイパ (SAIPA = Société anonyme iranienne de production automobileイラン自動車生産) は今では韓国車を主としていますが、そのエンブレムはシトロエンのダブルヘリカルギアを三個集めたようにも見えます。これを逆さまにしたようなのが既に見たEVメーカーの浙江省・合衆(Hozon Auto)汽車とその乗用車ブランド哪吒(Neta)の新エンブレムです。これに似たのがEVバンなどの安徽・泰新(Taixin)汽車のエンブレムです。
図2 XOS パーク・ロイヤル 嵐図(Voyah) 極狐(ArcFox) 時空(SKIO) クプラ
ロサンゼルスのXOS、旧NextGen、はEVトラックを生産しています。ロンドンの地名を冠したパーク・ロイヤルは19世紀末から1980年まで二階建てバスなどを生産していました。東風のハイエンドEVとして発表された嵐図(Voyah)は、英名のイニシャルで勝利も意味するVなのでしょうか。嵐図は青写真という意味ですが、メーカーの方ではこれで「素晴らしい未来」を描くのだと言っています。北汽新能源(BAIC BJEV)の ArcFox (極狐)ブランドは、極北の地でも問題なく走れて、狐のように聡明で独創的と言うところから勝利のVをエンブレムにしたようですが、狐の顔のようにも見えます。鋭い鋭角は、EVメーカーの浙江・時空電動(SKIO Matrix)です。スペインのセアトは、スポーツカーやレーシングカー部門に子会社クプラ(Cupra)を立ち上げましたが、そのエンブレムは鋭角化したCを二つ組み合わせたようにも見えます。
図3 宝路達 ヴァララ TAC2 ディモーラ レジャー・トラヴェル・ヴァンズ マセラティ2 スペクター・ヴィークル・デザイン
狐の顔を枠にいれたようなのが、三輪や四輪低速EVを多種類出している宝路達(Boloda)です。同じような意匠は、シボレーのコルベットをベースとしたキットカーのスーパーカーを出している、フロリダ州のヴァララ(Valarra)です。オフロード車のブラジルのTAC(Tecnologia Automotiva Catarinense)のエンブレムはTでしょうか。カリフォルニア州の創業者名を冠したディモーラは、ネオクラシックなどの豪華車を製造しています。米レジャー・トラヴェル・ヴァンズは、豪華キャンピングカーのメーカーです。創業地ボローニャ市の紋章からネプチューンの三叉の鉾をエンブレムとした伊マセラティには、社名の入っているのと入っていないエンブレムもあります。加スペクター・ヴィークル・デザインは特にミニ・クーパーの改装車スペクター・タイプ10で有名です。
図4 慶鈴1 慶鈴2 江鈴1 馭勝 いすゞ1 いすゞ2 いすゞ3
いすゞとのJVである重慶市の慶鈴汽車(Qingling)のエンブレムはいすゞの旧エンブレムの下部に運転席から見た前面の道路を加えたように見えます。その新エンブレムは道路をまた取り外して円に入れ、すっきりした形となりました。現在は長安傘下、かってはいすゞとのJVであった江西省・江鈴(Jiangling = JMC)も慶鈴を単純化しています。江鈴のSUVブランド馭勝(YuSheng)も同様です。いすゞは今でこそ下に見るアルファベットの社名のエンブレムですが、以前(1974-1990)は提携したゼネラルモーターズのエンブレムにヒントを得たようなの作り、その二本の柱でそれぞれ顧客および社会と共に伸び行く企業を象徴したものでした。さらに古く(1934-1973)は伊勢神宮の境内を流れる五十鈴川の漣(さざなみ)をエンブレムに取り入れていました。現在のいすゞは赤いローマ字の5文字で「国際的な発展」(いすゞ)を象徴していると言うことですが、この5文字のどこにそう言うことが秘められているのか、あまり納得できそうな説明ではありません。ただし赤がいすゞのシンボルカラーで「情熱と前進」(企業カラー)を意味していると言うのなら、これだけは理解できます。
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図1 Charge Cars, Faraday Future, 江西大乗汽車, Amati, Saipa, 浙江合衆新能源(現), 安徽泰新汽車,
図2 XOS Inc., Park Royal Vehicles, 嵐図(Voyah), ArcFox, 浙江時空電動汽車, Cupra,
図3 宝路達電動汽車, Valarra, TAC Motors 2, DiMora Motorcar, Leisure Travel Vans, Maserati 2, Specter Vehicle Design
図4 慶鈴汽車1, 慶鈴汽車2, 江鈴汽車1, 馭勝, いすゞ1, いすゞ2, いすゞ 3