引き続き
幾何学的図形とその応用です。
1 図形(簡素なデザイン) 1.18
図1 躍進 南汽新雅途1 華奥 少林 金迪1 コリンズバス 恩途 天路通 雅升
中国最古の自動車メーカー、と言っても中華人民共和国建国前の1947年ですが、今は上海汽車に買収された南京汽車の姉妹会社で、日本のUDトラックをライセンス生産している躍進(Yuejin)汽車とスペインのセアットをベースとした南京新雅途(Soyat)ブランドは、それぞれ片側四車線ずつの高速道路でしょうか。法諾集団の子会社となった広西壮族自治区のバスメーカー・華奥(Hope, HWARC, Hauer Auto)汽車も似たような図案です。河南・少林(Shaolin Bus)汽車も対面通交の道路なのでしょうか。主にEV三輪の江蘇省・金迪(Jindi)電動車も道路のようです。黄色いおんぼろスクールバスで知られている、REV傘下の米コリンズバスのエンブレムは道路でしょう。低速EVを生産している山東省の恩途汽車(ENTU)もシンプルな意匠ですが、Eが二つなのか、対面通交の道路なのか、よく分かりません。低速EV等も手掛けている北京・天路通(Tianlutong)科技も道路のように見えます。商用車やキャンピングカーの上海・雅升(Yasheng)汽車はメルセデス・ベンツを始めとする外車を改装していますが、通常はオリジナルのエンブレムを残しています。
図2 牡丹 金程 力帆 福田 福龍馬 ツァグロス=コードゥロ バク 長帆 宇通 モンテカルロ1
バスメーカーの江蘇省張家港・牡丹汽車(Mudan Auto)は目のような図案となっています。同じような図案はなぜか今は消滅した乗用車や商用車メーカーの河北秦皇島・金程(Jincheng)汽車です。重慶市の力帆(Lifan)汽車のエンブレムは、Lが三つあるようにも、また帆船が三つのようにも見えますが、これはイニシャルがLで、帆が名前に入っているからで、親会社だった力帆集団が自動車・オートバイ・発動機の3事業を営んでいたからかも知れませんが、後に見るマーキュリーのエンブレムに似ていなくもありません。また次の北汽(BAIC)福田(Foton)汽車のエンブレムと同様にどこか後に見るビュイックのエンブレムにも似ています。各種EVの福建・福龍馬(Fulongma)も何かが三列に並んでいます。イランのツァグロス=コードゥロはニュージーランドのプロトンと提携して乗用車を生産しています。ハンガリー人のバクがスイスで立ち上げたバク・モーターズは、水素燃料電池のハイパーカーを計画しています。低速EVの重慶長帆(Changfeng)新能源も、名の通り風に棚引く帆でしょう。今では世界最大のバス・メーカーとなった鄭州・宇通(Yutong)客車のエンブレムは、MANの半円を三重にしたものでしょう。レーサーが立ち上げたモナコのモンテカルロ(MCA)の意匠は何でしょうか。
図3 海全 ブレイド エゼムカ 春蘭 長岳 アレラ
EVの山東省・海全(Haiquan)新能源は楕円を3個合わせていますが、トヨタのような牛にはしていません。オーストラリアの創業者名を冠したブレイドEV社は2009年にヒュンダイのゲッツをベースにしたEVのエレクトロンを20台ほど生産していました。インドネシアの職業学校生たちが始め、その学校名を取ったエゼムカは、吉利と提携してSUVなどを生産しています。元は空調メーカーのトラックメーカー南京春蘭汽車のエンブレムは、中国で高貴な花と見られているシュンランの意匠化かも知れません。低速EVを発表した江蘇省の長岳(ChangEV Tech)新能源のエンブレムは、漢字長岳(Changyue)の英字イニシャルCYの変形かも知れません。創業者がドイツに在住のアルバニアのアレラは、ハイパーカーを発表していますが、実現の可能性は大きくないようです。
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図1 躍進汽車, 南汽新雅途1, 広西華奥汽車, 少林汽車, 江蘇金迪電動車1, Collins Bus Corp., 恩途汽車, 北京天路通科技, 上海雅升汽車
図2 牡丹汽車, 金程汽車, 力帆汽車, 北汽福田汽車, 福龍馬, Zagross Khodro, Bak Motors, 重慶長帆新能源, 鄭州宇通客車, Monte-Carlo-Automobiles 1
図3 山東海全新能源, Blade Electric Vehicles, Esemka, 南京春蘭汽車, 長岳新能源汽車, Arrera