続けて幾何学的図形や
少し凝ったところがあるものを見てみましょう。
1 図形(簡素なデザイン) 1.17
図1 儀征 ユーリ カイパン 双龍1 紅日 オートバックス・セブン 華為
今は消滅した黎明(Liming)ブランドの江蘇省儀征市の儀征(Yizheng)汽車製造廠は、風でしょうか。同様に東風に似たのは、南アフリカのオフロード車・ユーリのエンブレムです。小型ロードスターを製作している、チェコのカイパンも上部の欠けた二重の円ですが、角のイメージなのでしょうか。インドのマヒンドラ傘下となった韓国の双龍(サンヨンSsangYong)の海外向けの図案も立派な角の鹿のように見えますが、その名の通り二匹のドラゴンでしょう。山東省青州市の紅日(Hongri)電動貨運車では、Hのようにも見えます。スポーツカーのガライヤを開発したオートバックス・スポーツカー研究所(ASL)は、カー用品メーカーのオートバックス・セブンに所属しています。通信機器大手の広東省深圳市の華為(Huaweiファーウェイ)技術はEVにも進出することを決定し、重慶・金康新能源を買収する予定です。
図2 カヴズ タガズ クラズ 長豊 GIAD 国唐 リヴァーシンプル
ロシアのガズ傘下でバスなど生産しているカヴズ(クルガンバス工場)のエンブレムは三角形の変形です。ヒョンデと提携していた同じくロシアのタガズ(タガンロク自動車工場)は今はなくなりましたが、そのエンブレムも三角形が二つです。旧ソ連、現ウクライナの軍用車や商用車生産のクラズ(クレメンチュク自動車工場)はKの変形でしょうか。これらと似た人民解放軍を前身とする、広汽傘下の長豊(Changfeng)汽車のエンブレムは、さらに装飾を凝らして一風変わったものとなりました。なおこのエンブレムは長豊のSUVブランドである猟豹(Liebao, Leopaard, Cheetah)汽車でも使っていましたが、今は後に見るように豹の頭となっています。同様に斬新なデザインはスーダンでルノーやマンのトラック、ヒョンデの乗用車をライセンス生産しているGIADです。江蘇省のバスメーカー・国唐(Guotang)汽車の中央の円は車でしょうが、残りは分かりません。水素燃料電池の英リヴァーシンプルのエンブレムは、車輪に付いています。サインのようにも見えますが、何でしょうか。
図3 広汽1 アルクス ヴァイエンベルク 富路 ガリチャニン 長安重汽 緑欣 雷霆皇 イノコム 騰中
トヨタや本田の組立以外にもトランプチ(Trumpchi 傳祺=伝説)ブランドを出した広汽集団(GAC = Guangzhou Automobile Group Co.)広州汽車(GAC Motor)は普通Gのエンブレムですが、コンセプトカーにはこのaのようなエンブレムを付けているのもありました。ボルボ(吉利)の子会社アルクスは装甲車両など特殊車両のメーカーですが、そのエンブレムはイニシャルのAのようでもあり、軍用車の厳めしい感じもよく出ています。イニシャルのWが二つのオランダのヴァイエンベルクは車椅子の身障者も使える低速マイクロカーのカンタ(Canta)を出しています。低速EVの山東省徳州・富路車業(Fulu)のエンブレムはGのようにも、共産党のハンマーと鎌のようにも見えます。ロシアのクレーン車のガリチャニンは、キリル文字のGにクレーンのフックです。トラックメーカーの山西省太原・長安重汽(CCAT)、現長安傘下江鈴重汽のエンブレムはHのようにもSのようにも見えますが、Heavy Truck のイニシャルなのでしょうか。低速EVの四川省成都の緑欣(Lvxin)電動車はAVのようにも見えますが、LVかも分かりません。三輪や四輪の低速EVの雷霆皇(Leitinghuang)新能源も何でしょうか。マレーシアのイノコムはルノーと現代が現地企業と立ち上げたJVで、海外メーカー車の現地組み立てを行っています。特殊車両も生産している四川省の騰中(Tenzhong)重工はGMのハマーを買収しようとしましたが、失敗に終わり、ハマーのブランドは消滅しました。
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図1 儀征汽車, Uri, Kaipan, 双龍汽車1, 青州紅日電動貨運車, オートバックス・セブン, 華為技術
図2 KAvZ, TagAZ, KrAZ, 広州長豊汽車, GIAD, 江蘇国唐汽車, Riversimple Movement
図3 広汽集団1, Arquus, Waaijenberg, 富路車業, Galichanin, 太原長安重汽, 成都緑欣電動車, 雷霆皇電動車, Inokom, 四川騰中重工