幾何学的な図形のマークの続きです。
1 図形(簡素なデザイン) 1.15
図1 瑞邁1 三環 デロンダ 海神 万里 オルカ モービアス エディソン カストロスア 巨力 万達 徐工(XCMG) ヌロル・マキナ
江西・五十鈴のピックアップ瑞邁(Ruimai)のエンブレムは2種類あって、これはその一です。各種トラックの湖北・三環(Tri-Ring)専用汽車、三環・十通(Tri-Ring Sitom)汽車は社名の通り円が3個です。今世紀初めに立ち上げられた英デロンダは、一見玩具のような、公道を走れるレーシングカーです。長春北方・海神(Haishen)汽車の三人家族の大衆車を目指したマイクロカー ハンサム(Handsome)のプロトタイプはサイクラー(Cycler)と名付けられて三個の円のエンブレムをつけていました。広東省湛江市の万里(Wemry, Wanli)汽車は各国からあらゆる種類の自動車を仕入れ、自社エンブレムを付けて販売していました。そのエンブレムは三菱が一時採用していたものを上下対称にしたようです。リヒテンシュタインのルネ・ベックは1987年スイスにオルカ・エンジニアリングを創設し、2001年からオルカC113を始めとして、時速410kmと公道を走れるスーパースポーツカーとしては当時世界最速のオルカR113ロードスターなどを発表し、若干数生産しました。エンブレムは海面に見えるオルカ(シャチ)の背びれでしょう。ケニアで唯一の自動車メーカーで、荒れ地にも耐え、廉価なSUVを発表したモービアス、EVバスやEVトラックの韓国のエディソン、それにスペインのバスメーカーのカストロスアは、数学のメビウスの輪をエンブレムとしています。EVバスやEVトラックの韓国のエディソンもよく似た意匠です。三輪や四輪低速EVの山東省・聊城巨力(Juli)新能源では三角形が4個あります。バスメーカーの奇瑞・万達(Wanda)客車の三角や円は何の象徴でしょうか。江蘇省徐州市に本部を置く工事用車両メーカーの徐工集団工程機械(XCMG)は三角・四角・六角形を重ねています。トルコのヌロル・マキナは軍用装甲車両のメーカーです。
図2 AIL エストリーマ サンタナ ディアンチェ SDF コルレス 海胜 エイシャー・ポラーリス・マルティックス 智行盒子 TOGG1 リビアン レッドスペース バンクロフト
2021年現在イスラエルで唯一の自動車メーカーで軽装甲車両を生産しているAILの社名は自動車産業有限会社(Automotive Industries Ltd.)の頭字語で、円内に同じく円を四等分した十字星のシンプルなエンブレムです。伊エストリーマ社のビーロ(Birò)はゴルフカートを街中に出したような2シーターマイクロEVです。スペインのオフロード車メーカーのサンタナはランドローバー、次にスズキのライセンス生産をしていましたが倒産しました。二度目の倒産以来再興が危ぶまれている伊ベルトーネが、EVスーパーカーのディアンチェを発表しました。トラクターの伊SDF(SAME Deutz-Fahr)は、傘下に伊セーマ、独ドイツ=ファール、伊ランボルギーニ、スイスのヒュルリマンを擁しています。ギリシャのコルレスは、4輪が別個に50センチ上下して階段なども昇降できるATVのP4などを発表しています。三菱パジェロ(モンテロ)などを出していた海南省の海胜(Hiseng)汽車は楕円に十字です。印エイシャーと米ポラリスのJV・エイシャー・ポラーリスはマルティックスを出しましたが、これは家族用・商用・発電機と3 in 1の機能を備えたPUVと宣伝されています。北京智行盒子(IT Box)科技はEVバンを出していますが、自動運転などを目指しています。トルコのTOGGはEV高級車を発表しました。エンブレムは東西から接近するターコイズブルーの矢印が接触するところが、中央のダイヤだと言うことです。カリフォルニア州の米リビアンはEVのピックアップやSUVを出していますが、エンブレムの由来は不明です。大型商用車やEVの河北保定市・恒天汽車(CHTC)の屋根にソーラーパネルを搭載したマイクロバスのレッドスペース(REDS)はトンネルの出口のエンブレムでしょうか。または屋根が赤い塔を上から見たものでしょうか。1990年代初めの数年間、米人レーサーが同名の独バンクロフト・モータースポーツを立ち上げ、メルセデス・ベンツ500SLのエンジンで1930年代風のロードスターを10台製作しました。
図3 ミア ミア2.0 銀隆/広通 ピヴコ 邁峰 天鷹
三人乗りEVミニバンなどを出した仏ミアは倒産しましたが、独フォックス自動車がフォックスEモビリティ(fox e-mobility)として再興し、ミア2.0が発表されています。EVのSUVや商用車を生産している広東省の珠海・銀隆(Yinlong)新能源は円が五個の正五角形の各頂点に円を配したエンブレムですが、子会社のバスメーカーで同じく珠海や成都などの広通(Granton Bus)客車でも使っています。1990年代にノルウェーでマイクロEVを生産していたピヴコの社名は個人独立自動車会社(Personal Independent Vehicle Company)の頭字語です。三輪や四輪低速EVの山東省・邁峰(Maifeng)新能源は三角形から五角形まで取り入れています。同じく三角形や五角形は特装車の瀋陽市・天鷹(Tianying)専用汽車です。瀋陽・天鷹(Tianyi)専用汽車は大型トラックを改装しています。
図4 アライバル1 トヨタ・マークII クリスタル 前晨 ベセマ 斯可利特 リューツレ 格罗夫
アステリスクをエンブレムとしているのはバス、商用車、ウーバー用バンなどの、ロシア人が英国で立ち上げたEVメーカー・アライバルです。トヨタ・マークIIもアステリスクを使っていました。世にも無様なストレッチ・リモを製造しているのはカリフォルニア州のクリスタルです。EV軽トラックに注力している上海の前晨(Newrizon)汽車のエンブレムは英名イニシャルのNでしょう。1932年に設立された露ベセマ機械プラントは、トラックの改装などをしています。山東省の斯可利特(Scolecite)新能源汽車は低速EVを生産していますが、そのエンブレムは変形正六角形・三次元立方体のようにも見えます。同じように三次元的に見える立方体エンブレムの独リューツレは貨物運搬用の電動アシスト三輪自転車を生産しています。武漢の格罗夫氢能(Grove)汽車は水素燃料電池の開発をしています。
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図1 瑞邁1, 湖北三環専用汽車, Deronda Sports Car, 長春北方海神汽車Cycler, 広東湛江万里汽車, Orca Engineering, Orca Sports Cars, Mobius, Edison Motors (Korea), Castrosua, 聊城巨力新能源, 奇瑞万達客車, 徐工集団, Nurol Makina
図2 AIL, Estrima, Santana, Bertone Dianchè, SDF Groupe, Korres Engineering, 海南海胜汽車, Eicher Polaris Multix, 北京智行盒子科技, TOGG 1, Rivian, Redspace, Bancroft Motorsport
図3 Mia Electric, fox e-mobility, 銀隆新能源/広通汽車, Pivco, 山東邁峰新能源, 瀋陽天鷹専用汽車
図4 Arrival, トヨタ・マークII, Krystal, 前晨汽車, Becema, 山東斯可利特新能源汽車, Rytle, 武漢格罗夫氢能汽車