UA-74369628-1
Ihre Browserversion ist veraltet. Wir empfehlen, Ihren Browser auf die neueste Version zu aktualisieren.

                                                         Ingres, la sourceIngres, la source 

La source d'Ingres,  Paris  ©DeepStSky 

0389 Volte - volte-face - volte-face - 転換 I

2024/01/24 投稿

    数年来

よく耳にする言葉ですが、どう言う意味で使われているのか、今一つよく分からないところがあります。ドゥーデン・オンラインには次に挙げる1-3、DWDSには1-3と7(7は恐らく2023年の追加)、ウィキペディアには1-2と4-5、ウィクショナリーには1-4と6(6は恐らく2022年の追加)が掲載されていますが、普通の文脈でよく見かけるのは6と7、稀に1でしょう。2-5はそれぞれの分野での専門語です。

1 (トランプ/手品)いかさま切り、トリック、技巧、妙手(Taschenspielertrick, Trick, Streich, Kunstgriff, Kunststück, geschickter Schachzug, Dreh, Kniff, Fingerfertigkeit)

2 (乗馬)巻き乗り、輪乗り(Kreisritt, rasche Wendung, Schleife)

3 (フェンシング)身のかわし、外し

4 (パラグライダー/ハンググライダー)(着陸への)場周アプローチ(Landevolte)

5 宮廷舞踊の一種。Volta が普通。

6 日常語で、特定の目的を達成するための巧みな行為(Handlung)や Wende 。

7 従来の順調な経過、通常のやり方や論調における突然の急転換(plötzliche, überraschende Änderung)

 6の説明の最後の Wende というところがミソで、これを訳すると、

 転換、転回、急転、急変、激変、一転、逆転、反転、変転、暗転、転機、展開、急展開、急転換、転換点、変更、変革、どんでん返し、方向転換、方針転換、変動、変遷、変移、変曲点、分岐点、ターニングポイント、曲がり角、分かれ目、変わり目、移り目、Uターン、捻り…と実に豊富な候補が出て来ます。この言葉は、新聞の文芸欄などでよく見かけますが、オンライン辞書のレオ独語版のフォーラムでもこの語が何を意味するのかと盛んに推測を呼んでいるところから見ても、一般的はまだよく普及しているようには思えません。結局、DWDSが最近付け足した7の説明が、一番的を得たものとなるでしょう。この意味ではウィクショナリーで見られるように既に1950年代からあるようです。それにしても最も説明が少なくて、的も得ていないドゥーデンは、一体何をしているのでしょうかね。

 ドイツ語なら Wendung, Wende, Front- oder Kehrtwende, -wendung, Standpunktwechsel, Umschwung, Meinungs-, Gesinnungs-, Sinneswandel, Schwenkung, Umschlagen などと言い替えられます。Volte の語源は、イタリア語の volta (回転)またはフランス語の volte (転換)ですが、これらはまた俗ラテン語の volvo (回る、転がす)を源とするものです(Wkd)。

 英仏両語の volte-face (大転換)、英語の about-face, about-turn (回れ右)や reversal (反転・逆転)、 twist (捻り、趣向、工夫)や curveball (変化球)と言う言葉が、ナンバー6と7の Volte の同義語となるでしょう。英語の volte は volta と同じ意味で、上記1の意味の sleight of hand、2や3の意味の他、音楽の1番括弧(反復する時1回目に演奏する部分)、舞踊の一種、また詩、特にソネットの変曲点などを表します。フランス語でも volte には、プロヴァンス起源の舞踊、2の乗馬用語、3のフェンシング用語、さらに猛禽の叫び声、船舶の航路、回転運動などの意味もあります。Volte のことを英仏語共に coup de theatre や coup de théâtre と訳すと、劇中の破局に向けた急展開で、アリストテレスの悲劇論に言う

           逆転 - Peripetie - peripetie, peripeteia – péripétie          となります。

 まだ一般に浸透していないことは、次のエピソードを見れば、よく分かるでしょう。

           Gegooglt hat auch Leser B., nämlich das Wort Volte, nachdem er gelesen hatte, dass dank der Datenvernichtungsposse die Ibiza-Affäre „um eine Volte reicher“ sei. Seine Ansicht, die Affäre sei nun um eine Figur im Dressurreiten reicher, liegt bei den handelnden Herrenreitern zwar nahe, die Redensart meint aber, dass etwas um eine Drehung/Wendung (italienisch la volta) reicher sei. (SZ, Sprachlabor, Hermann Unterstöger, 10.08.2019)
           読者Bさんも、データ破壊劇の茶番のおかげでイビサ事件が「Volte だけ豊かに」なったと記事にあったので、Volte という言葉をググったとのことです。事件が馬術競技の一種目分豊かになったという彼の見解は、関わった男子騎手たちを見ればそう外れてもいないようにも見えますが、この言い方は何かが回転/転換(イタリア語でla volta)した分だけ豊富になったと言う意味です。(『南ドイツ新聞』ヘルマン・ウンターシュテーガー)

 この説明でも今一つピンと来ませんが、要は事態が一転して、事件の解明に一歩近づいたと言うことでしょう。イビサ事件とは、2019年にオーストリアを震撼させた醜聞です。

 2023年10月7日のハマスのイスラエル襲撃によるおよそ1200人の民間人虐殺・拷問・凌辱と253人の拉致を契機としてイスラエルがガザ地区でハマス殲滅作戦を展開しましたが、これがまた実に2万6千人を超える、多くの民間人をも巻き込んだジェノサイドであるとして南アフリカ共和国が国際司法裁判所に提訴しました。

           Aharon Barak ist eigentlich schon seit 18 Jahren im Ruhestand. Jetzt schickt ihn Benjamin Netanjahu an den Internationalen Gerichtshof in Den Haag - um Israel zu verteidigen. […] Als Verräter haben sie ihn gerade noch gescholten, als Feind Nummer eins im Streit um die Justizreform. Doch nun braucht Israels rechtsreligiöse Regierung seine Hilfe: Aharon Barak, der frühere Präsident des Obersten Gerichts in Israel, wird von Premierminister Benjamin Netanjahu als Zusatzrichter nach Den Haag entsandt, wo vor dem Internationalen Gerichtshof an diesem Donnerstag und Freitag eine Anhörung angesetzt ist zu einer Klage Südafrikas gegen Israel. Der donnernde Vorwurf: Genozid in Gaza. Barak hat keinen Augenblick gezögert. Mit 87 Jahren tritt er an zum Reservedienst in Richterrobe. / Verfahrenstechnisch ist der Einsatz Baraks einer Besonderheit des Internationalen Gerichtshofs geschuldet. Wenn die klagenden und beklagten Staaten keinen Richter ihrer Nationalität im 15-köpfigen Kollegium haben, können sie jeweils einen eigenen Vertreter benennen. Aber dass nun gerade er geschickt wird, ist eine Volte mit großer persönlicher und politischer Symbolik: Als Holocaust-Überlebender verhandelt er nun über eine Klage, die dem jüdischen Staat einen Völkermord vorwirft. Und er stellt sich dabei in den Dienst einer Regierung, die zuvor mit aller Kraft sein Lebenswerk zerstören wollte. (SZ, Peter Münch, 11. 01. 2024)
           アハロン・バラクが引退して既に18年になる。今回、ベンヤミン・ネタニヤフ首相が、イスラエル擁護のためにバラクをハーグの国際司法裁判所に送り込むこととなった。【…】彼らは彼を裏切り者として、司法改革をめぐ係争の敵ナンバーワンとして非難していた。ところが今やイスラエルの極右政権は、彼の助けが必要となった。アハロン・バラク元イスラエル最高裁長官は、ネタニヤフ首相によって追加判事としてハーグに派遣され、今週木曜日と金曜日に国際司法裁判所で、南アがイスラエルに対して起こした訴訟の審理に赴くこととなった。喧々諤々たる非難は、ガザにおけるジェノサイドの嫌疑である。バラクは一瞬たりとも躊躇しなかった。87歳にして、裁判官の法衣を纏って予備役の職責を果たすことになる。/バラクの任命は法手続き上、国際司法裁判所の特殊性に基づくものである。15人の裁判官中に原告国と被告国の裁判官がいない場合、それぞれ自国の代表を任命することができる。ところで、バラクが今、派遣されるということは、個人的にも政治的にも大きな象徴性を持つ展開となる――ホロコーストの生存者である彼が、ユダヤ人国家によるジェノサイドを審理する裁判に関わる。このようにして、今まで彼のライフワークを全力で破壊しようとした政権を利することになる。(『南ドイツ新聞』ペーター・ミュンヒ)