英語の motherfucker ☠、
フランス語の enculé de ta mère (race) ☠ とは、母犯し、近親相姦のタブーを破って、自分の母親とやるような見下げ果てた奴となります。さらにフランス語では nique ta mère! ☠ (てめえの母親とでもやってろ!)と罵ります。この niquer と言うフランス語はアラビア語の nik (セックス)と言う言葉が語源です。なぜ母親なのかと言うと、男性として絶望的に無価値なため、自分を生んでくれた母親ぐらいしか、哀れと思って相手になってくれる女性がいないと言うことで、それほどの腑抜け、へたれ、不甲斐なし、甲斐性なし、意気地なし、腰抜け、臆病者となり、男性は男性らしくなければならないと言う優位社会における、男性に対する最大の侮辱です。日本語の罰当たり、ろくでなし、面汚し、恥さらし、下衆(下司)などの言い方では、男性のニュアンスが含まれていないところが、違います。もっとも下劣/卑劣漢や~野郎となると男性を相手としているのが明確となりますが、これは相手の属性を捉えただけで、それを問題としているのではありません。
Up against the wall, motherfucker ☠! (WTe)
壁にぶつけて、どたまかち割ったろか、この母犯しが!
Check out this motherfucker ☠! (ibid.)
このへたれをよく調べろ!
こんな言葉は、日本語にもドイツ語にもないため、訳に困ります。言葉の数が少ないのに、こんな言葉のあるフランス語では、言葉遊びにもなります。
Hé le maire ! nique ta mère le maire, fils de pute ! ta grand-mère ! ☠— (WTf : nique ta mère)
おい、市長!母犯し市長!売女の小倅、祖母犯し!
仏語では市長と母と海が同音異義語なので、mère と le maire が韻を踏んでいますが、もちろん訳には出せません。それにしても、英仏語ではどぎつすぎて、少々うんざり気味です。
Die demokratische Politikerin Rashida Tlaib hat an ihrem ersten Tag als Kongressabgeordnete mit einer unflätigen Drohung gegen US-Präsident Donald Trump für Wirbel gesorgt. Bei einer Veranstaltung am Donnerstagabend sagte die 42-Jährige vor jubelnden Unterstützern, man werde ein Amtsenthebungsverfahren gegen den "Scheißkerl" ("Motherfucker") einleiten. Ein Video mit ihren Aussagen wurde auf Twitter verbreitet und bis Freitagmittag (Ortszeit) mehr als eine Million Mal angeklickt. Tlaib ist eine der beiden ersten muslimischen Frauen, die ins Abgeordnetenhaus gewählt wurden. (mc/dpa, 05.01.2019)
民主党のラシダ・タリーブ下院議員は登院初日にドナルド・トランプ大統領に対する口汚い演説で一大波乱を引き起こした。木曜日の集会で42歳のタリーブ議員はエールを送るサポーターを前にしてあの「糞垂れ(母犯し)」を弾劾訴追にかけてやると述べた。そのビデオはツイッターで広まり、現地時間で金曜日正午までに100万回以上クリックされた。タリーブ議員は下院に選ばれた最初のイスラム教徒女性二人の一人である。(mc/dpa)
同じことに関して翌日の新聞論説から。
Seit Donnerstag beherrschen sie wieder das Abgeordnetenhaus – nach acht Jahren in der Opposition, darunter zwei besonders furchtbaren, in denen sie ohnmächtig dem Zerstörungswerk von Präsident Donald Trump zusehen mussten. Insofern ist es vielleicht verständlich, dass eine frisch vereidigte demokratische Abgeordnete versprach. „We’are gonna impeach the motherfucker“. Übersetzt etwa: Wir werden das Schwein des Amtes entheben. Gemeint ist Trump. (SZ, Hubert Wetzel, 05.0.1.2019)
木曜日以来下院はまた民主党の手に落ちた――少数派として8年間、その中特にドナルド・トランプの破壊作業をなす術もなく見ていなくてはならなかった、悪夢のような2年間が終わった。その限りでは、新たに宣誓を済ませた民主党の議員が「We’are gonna impeach the motherfucker」(意訳すると、我々はあの腑抜けを罷免してやる、もちろんトランプのこと)と約束したのもよく分かる。(『南ドイツ新聞』フーベルト・ヴェッツェル)
2022年、カタールで行われたサッカーW杯で日本でも長くプレーしていたセルビアのドラガン・ストイコビッチ監督が、対戦相手のスイスの選手に向かって暴言を吐きました。
Im Überschwang der Emotionen hatte die „Piksi“ genannte serbische Fußballer-Legende [Dragan Stojković] nach dem 2:1-Führungstreffer Serbiens eine sexuell konnotierte Tirade losgelassen. Sein Pech: Er wurde dabei von den allgegenwärtigen Fernseh-Kameras im Stadium 974 von Doha erfasst - und des Serbischen mächtige Zuseher sowie Reporter hatten offenbar keine Mühe, von den Lippen von Stojković abzulesen. Laut Medienberichten aus Teilen des früheren Jugoslawiens lässt sich das Gesagte in etwa mit: „Fi**t eure Siptar-Mütter!“ beschreiben. „Siptar“ steht dabei abwertend für Menschen mit albanischer Abstammung. Bezogen war diese Beleidigung offenbar vor allem auf die Schweizer Stars Xherdan Shaqiri und Granit Xhaka, die beide kosovo-albanische Wurzeln haben […]. (Kronen-Zeitung, 02.12.2022 23:54)
セルビアが2―1でリードした後、「ピクシ」の名で知られる、セルビアの伝説的サッカー選手だったストイコビッチ監督は、感情に任せて性的意味合いのある暴言を放った――その際、折悪しくドーハの974競技場の至る所に備えてあるテレビカメラに捉えられ、セルビア語を話す視聴者やスポーツ記者は、ストイコビッチ監督の唇を読むのに大した苦労はしなかったようである。旧ユーゴスラビア各地からの報道によると、その内容は大まかに言って「お前らシプタールは、母親でも犯していろ!」となる。「シプタール」とは、アルバニア系の人々に対する蔑称である。この侮辱は、明らかに特にコソボ・アルバニアにルーツを持つスイスのスター選手、シャキリとグラニト・ジャカに向けられたものであった。(『クローネン新聞』)
1999年、コソボ紛争を決着させるための欧米諸国とNATOによる、国連憲章に反するセルビア空爆でコソボはセルビアから分断され、その後独立を宣言しましたが、2023年現在でも一部EUの暫定統治下にあります。セルビアなどはコソボの独立を認めていませんし、セルビア人には依然としてコソボ人を憎んでいる人々も少なくありません。これが上記の悪態語の背景にあります。
罵詈雑言もいろいろ並べると一段と効果を増します。
“Go fuck yourself, you stupid mother fucking cocksucker!!!!” (UD, Suck my dick, Streaks August 7, 2006)
「失せろ、この馬鹿母犯しのフェラ野郎!」(都会辞典)
これは特にフランス語によく見られ、罵り合いで罵倒語のオンパレードになることを「鳥の名を挙げる」(se donner des noms d'oiseaux)と言っています。Bécasse(ヤマシギ=白痴)、bécassine(タシギ=単細胞)、poule(鶏=臆病者)、linotte(ヒワ=ボンクラ)のように各種の鳥が、馬鹿にする際の比較に取り上げられていたことに由来するのでしょう。
« Nom de Dieu de putain de bordel de merde de saloperie de connard d'enculé de ta mère. » Cette longue succession de noms d'oiseaux, typiquement français, a fait la célébrité du personnage du Mérovingien, l'un des antagonistes de la trilogie Matrix, joué par Lambert Wilson. (www.rtl.fr, «Matrix 4» )
「罰当りの売女の糞の下司の薄ノロの母犯し」。このように延々と続く罵倒語の列挙は、典型的なフランス式用法で、ランベール・ウィルソンが演じた、マトリックス三部作の敵役の一人メロヴィンジアンのキャラクターを有名にした。(RTLフランス)