動物のエンブレムもかなりあります。
ここでは、その簡単なものを見てみましょう。
1 図形(簡素なデザイン) 1.12
図1 刺猬 アルクラフト 火狐 ブラバム 猟豹 スピラ 9ff(1)
新興EVの厦門・刺猬(Ciwei)汽車の小猬(Xiaowei)新能源は、社名を表すハリネズミの意匠です。キツネか猫をあしらったエンブレムを作ったスタートアップの英アルクラフトはEVスポーツカーを発表しています。低速EVの珠海・火狐(Firefox)電動車も赤い狐で火の字のようにも見えます。レーシングカーやスーパーカーの豪ブラバムは、エンブレムを付けているときには、トラかヒョウの猛獣です。長豊のサブブランド猟豹(Liebao, Leopaard)は三菱・パジェロ(Pajero)のライセンス生産およびその独自改良版ですが、そのエンブレムはチーターの頭です。スポーツカー製作の韓国プロトから、今は韓国オウリムとなったスピラ・ブランド、チューニング専門の独9ffの両メーカーのエンブレムも、ライオンか豹か、いずれにしても口を開いた猛獣です。
図2 華豹2 アークティック・キャット ライカ ガゼル・テク 賽瑪 立馬2 プッツマイスター カルゴテック
既に見た低速EVの華豹(Huabao)新能源の第2のエンブレムでは豹が描かれています。スノーバギーなどを生産している米アークティック・キャットでは黒猫が跳躍しています。ペガサスと言うよりは羽の生えたグレーハウンドのようなエンブレムは、キャンピングカーの伊ライカです。フランスのガゼル・テクは都市用に省エネ車を開発していますが、欧州向けにEVを出しています。EV三輪や低速EVの洛陽三鈴新能源科技の賽瑪(Shaima)新能源は馬の頭でしょう。既にみた江蘇省・立馬(Lima)電動三輪車のこのエンブレムは明確に馬の首です。コンクリートミキサーを始めとする特装車の独プッツマイスターは社名のイニシャルPMを象に意匠化しています。フィンランドの港湾作業機器並びに車両メーカーのカルゴテック、その事業部門カルマ―も大きな作業をする象の図案です。
図3 蘇州益高(イーグル) 凱瑞徳 銭江 イブラーヴァ L&Rシルバーファルコン ボーヴァ カラフィオーレ スペクター 新鴿1
電動ゴルフカートから始めた蘇州益高電動車(イーグル)は、超簡単な鷲の図案です。広東省東莞市の凱瑞徳(Kerid)電瓶車は各種低速EVを出しています。オートバイの浙江省の銭江摩托車の子会社の銭江(Qjiang)電動車は、若干EV三輪も出しています。ブラジルのイブラーヴァは主に独フォルクスワーゲンのバスをベースとしています。二人の創業者名を冠した独L&R(Lorenz & Rankl Fahrzeugbau)は1980年代半ばからスーパースポーツカーを作っていましたが、シルバーファルコンのII号車は一台限りの製作でした。オランダのバスメーカーのボーヴァは今ではVDL傘下でVDLボーヴァとなっています。"Per aspera ad astra"(苦難を乗り越え星辰へ)を企業のモットーとする、ハイパーカーのイタリア新興カラフィオーレのエンブレムは鳥のように見えます。鳥の翼のように見えるのは米スペクターで、キットカーでスポーツカーを出しています。吉利傘下のオートバイメーカー・浙江・銭江(QJ Motor)摩托車はオート三輪も出しています。河南省の新鴿(Xinge)車輌は元は自転車メーカーですが、オート三輪や三輪・四輪の低速EVを出しています。
図4 アウトサン ブルーバード 日産ブルーバード 宝鴿 鴻翔 上饒
ポーランドのバスメーカー・アウトサンでは航空機会社のような鶴が飛翔しています。多くはおんぼろで黄色いスクールバスで有名なボルボ(吉利)傘下のバスメーカー・米ブルーバードも、今は生産終了した日産ブルーバードも、青を背景にして鳥が飛んでいます。そう言えば twitter でも青い小鳥が飛んでいますね。三輪や四輪EVの天津・宝鴿(Baoge)電動車は名の通り鳩のエンブレムです。低速EVの江西・鴻翔(Hongxiang)電動車は社名のヒシクイの鳥でしょう。伝統あるスクールバスなどの江西・上饒(Shangrao)客車のエンブレムは鶏冠の付いた鳥と同時に英名イニシャルのSでしょう。
図5 メッサーシュミット 上汽唐山 建康 中宜客車 京通 嘉遠2
戦後のドイツで流行った三輪や四輪マイクロカーのメッサーシュミットは、Kabinenroller(キャビン付きスクーター)とも言われるように、超小型車で日本で言うミニカーやバブルカーです。エンブレムは当時流行りの鋭角的な鳥のように見えます。上海汽車傘下の上汽唐山(SAIC Bus)客車はEVバスも生産していますが、エンブレムは尖った鳥でしょう。伝統あるバンやバスメーカーの江蘇省の建康(Jiankang)客車も二羽の鳥のように見えます。江西・宜春客車廠(JxYike)の中宜(Zhongyi Bus)客車も鳥でしょう。福田傘下となったバスメーカーの北京の京通(Jingtong)客車も2羽の鳥でしょうか。先に見た低速EVの南京・嘉遠(Jiayuan)の旧エンブレムもいるかのようにも見えますが、二羽の鳥でしょう。
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図1 刺猬汽車, Alcraft Motor Company, 珠海火狐電動車, Brabham, 猟豹汽車, Spirra, 9ff 1
図2 華豹新能源2, Arctic Cat, Laika, Gazelle Tech, 賽瑪新能源, 立馬電動車2, Putzmeister, Cargotec/Kalmar
図3 蘇州益高電動車(Eagle), 東莞市凱瑞徳電瓶車, 浙江銭江電動車, IBRAVA, L&R Silverfalcon Series II, Bova, Calafiore, Specter, 新鴿車輌1
図4 Autosan, Blue Bird, 日産ブルーバード, 天津宝鴿電動車, 江西鴻翔電動車, 上饒客車
図5 Messerschmitt Kabinenroller, 上汽唐山客車, 江蘇建康客車, 中宜客車, 京通客車, 南京嘉遠特殊電動車2