キラキラと輝いたり、
閃光を放つものは星や電気だけではありません。
1 図形(簡素なデザイン) 1.6
図1 リンカーン ベイリー ルノー(旧) ルノー(現)
傲威 カーボン 睿藍 イゼーラ
ダイヤモンドの光芒を象ったフォードの高級ブランド・リンカーンや南アフリカのスポーツカー・メーカーのベイリー、さらに伝統ある仏ルノーのいわゆるダイヤモンド・シェイプや低速EVの蘇州・傲威(Alwayz)電動車なども宝石の光線の輝かしさとその豪華さを車のイメージとしてデザインしたものです。ルノーは従来の立体的図案を昨今の風潮となっている二次元図柄に改定しました。この方がSNNなどとの相性が良いからでしょう。米カーボン・モーターズはBMWエンジンを搭載したパトカーを計画しましたが、挫折したようです。EVに力を入れている吉利と力帆のJV睿藍(Livan)汽車のエンブレムは、ブルークリスタルだと言うことです。ポーランド電気モビリティ(ElektroMobility Poland)のエルベ河の支流イゼーラ(ケルト語で速い)からその名を取ったEVブランド・イゼーラのエンブレムはダイヤではなく、未来への進路を示す羅針盤の針と言うことです。
図2 BTC 北京清行 ダイヤモンドT ダイヤモンド・レオ 日産グロリア 領岳
今世紀初めに設立されたBTC(全地形対応車システム実験局)は、ウラルポラルニックとハープの車両を改装しています。新興EVメーカー・北京清行(QXEV)もダイヤのように見えます。1905年から創業者ティルトのイニシャルを冠したダイヤモンドTはシカゴで乗用車やトラックを生産していましたが、1967年にレオ・モーター・カーと統合して米ホワイト・モ=ターのトラック部門とされ、倒産や再建を繰り返して2013年に生産を停止しました。後に日産と合併したプリンス自動車のグロリアは、リンカーンを押しつぶしたようですが、ただの十字ではなく、亀と共にめでたさを象徴する鶴のイメージを与えたもので、その車種名は当時の皇太子と正田美智子の成婚記念としてのラテン語の「栄光」です。上海瓴跃(Lingyue)汽車の低速EVブランド領岳(Levlead)は、盾にダイヤです。
図3 揚子 中興 天業
長豊汽車のJVでバスや商用車メーカーの安徽省・揚子(Yangzi)汽車はどこかオペル・ブリッツに似たエンブレムですが、揚子江の流れかも知れません。ピックアップやSUVを中心とした、解放軍修理工場を起源とする河北保定市汽車製造厰が改称した河北・中興(Zhongxing Automobile, ZX Auto)汽車・客車のエンブレムもオペル・ブリッツのZの線対称像の変形のようで三次元的になっていますが、保定汽車製造厰以来の天業(Tianye)ブランドでは二次元で二重になっていました。
図2 曙光/黄海 海馬鄭州 通家 広通 マツダ・ユーノス/クセドス 海南馬自達1
遼寧省の曙光(Shuguang)汽車とその傘下で黄海バスで知られている丹東汽車を前身とした丹東・黄海(Huanghai)汽車のエンブレムは、波のようにも見えますが、後に見る親会社の曙光のエンブレムの変形かも知れません。一汽海馬の海馬鄭州(Haima Zhengzhou)ブランドには海馬王子などがありますが、曙光・黄海に似たものとなっています。濰柴(Weichai)傘下の西安を拠点とする陝西・通家(Tongjia, Shacman)汽車のエンブレムは黄海に似たものとなっています。よく似たエンブレムは商用車やバスの安徽・広通(Guangtong)汽車でEVにも力を入れています。マツダが1990年代に一時販売経路を基にしたブランドの5チャンネル化を図り、国内でユーノス(Eunos)、海外でクセドス(Xedos)の名称で、また国内でランティス、海外でアスティナ(Astina)の名称で販売していた車種に付けられたエンブレムは円内に菱形でした。マツダの技術で始めた海南汽車(Hainan)と馬自達(Mazda)のJVとして設立された海南馬自達(HainanMazuda)は、現在は一汽海馬となりましたが、元は後に見るようなタツノオトシゴや当時のマツダに似たエンブレムを付けていたこともあります。
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図1 Lincoln, Bailey, Renault (alt), Renault (neu), 蘇州傲威電動車, Carbon Motors, 睿藍汽車, Izera
図2 BTC, 北京清行智能科技, Diamond T, Diamond REO Trucks, 日産グロリア, 領岳汽車
図3 揚子汽車, 河北中興汽車, 天業汽車
図4 丹東黄海汽車, 海馬鄭州汽車, 陝汽通家, 安徽広通汽車, マツダ・ユーノス, 海南馬自達1